地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
うん。完璧病院ですね。
家には、こんなの無いもん
ふと
誰かに右手を握られていることに気付いた。
「…誰かいたんだ…」
呟き、手を握る相手を見る。
そこには、
手を握ったまま
寝ている陸がいた。
「…やっぱり、あの声は貴方なんだね…?」
手の温もりと、夢の中での腕の温もりが同じだ。
「…あたし……生きてるんだ……」
左手を胸に当て、心臓の鼓動を感じ取る。
そのまま陸を見た。
あたしが還って来れたのは、陸のおかげだよね…?
呼んでくれなかったら
あたしは、あのままあそこにいた。
目を覚ますこともなかったんだ。