地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
頭の中で、入院費用を計算………
あたし…こんなところにいて大丈夫!?
頭を抱えて唸った。
「ん゛…………」
陸が身じろぎ、目を覚ます。
「えっ…?杏…?」
握っていた手がないことに気付き、顔を上げる。
「あ、おはよー陸♪」
ペットボトルのお茶を持ったまま挨拶をした。
ポカンと口を開けて固まる陸。
「ー…っ…杏っ!?」
病室中に、陸の叫ぶ声が響いた。
「…そんなに叫ばなくてもいいじゃん……」
耳を押さえて陸を非難……(笑)
「…あぁ……悪い………って!
いつ目ェ覚ましたんだ!?」