地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
だが、次の瞬間。
言うことより恐ろしいものを陸はあたしに与えた。
椅子から立ち上がり、病室を出ようとする陸。
「どっか……行くの…?」
寂しくなり、眉をあからさまに下げた。
「あぁ……ペットショップにな…?」
「…ペットショップ?
何か買うの…?」
「うん。
杏ちゃんが言わないから、コオロギでも買って来て
拷問に掛けようかな?
って思ってね……?」
ニッコリと王子様スマイルで、
恐ろしいことを言った。
「え゛………嫌。」
固まるあたし。
「…じゃあ、教えてくれる?」
「それも嫌……。」
首を振り、否定する。