地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…なるほど。
陸…アンタ苦労するわね…。」
彼女さんが返す。
ますます意味がわからない。
「えっと…ちゃんと会うのは、初めてよね…?」
首を傾げる彼女さん。
「はい……」
「初めまして!
うちの陸がお世話になってます♪」
ニッコリと笑顔で言われた。
「いえっ……そんな……」
あたしは俯いた。
「はいっこれ…!」
とケーキの箱を渡された。
「あ、ありがとうございます。」
ぎこちなく笑うあたし…
全て片付いて、呪詛もなくなったのに
胸の痛みが取れない。
笑顔の彼女さんを見ると、息が苦しくなる。