地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
心臓が破裂寸前だよ…!
「……ドイツ語でね……?」
「ん。」
「………陸が好きって言ったの…………。」
視線が定まらずにキョロキョロする。
あーあ……
言っちゃった………
もう知られちゃったし……………病室から出て行っちゃうのかな…?
頭の中は、マイナスの想像が支配………
「ん。……知ってる。」
突然
クスッと笑い、あたしを引き寄せた。
「えっ…??」
訳がわからずにポカンとなった。
陸の腕に収まっても
固まったまんまなあたし…。
「え…?え…??」
パニックになるあたしに、
陸が囁いた。
「……杏のことが好きだ。」