地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
えー……
さらに頭の中は、パニックになりました。
目を見開き、固まる。
だけど、
心は素直で………
「………っっ………!」
ボロボロと涙が溢れてくる。
「……ほっ……本当に……?」
幻みたいで、夢みたいで…
確かめたくなった
「嘘言ってどーすんだよ………
杏こそ、本当…?」
「えっ…?」
「前に俺のこと…
“大っ嫌い”って言ったじゃねぇか……」
逆に聞かれる。
「…ごめんなさいっ………違うからっ………」
涙が頬を伝う。
「陸がいい…陸じゃなきゃ嫌……
陸以外の人なんて嫌っ……
触れられるのも、陸以外嫌だもんっ…
キスするのも抱きしめられるのも
陸じゃなきゃ嫌…っ
安心出来ないの…っ……!」