地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「杏っ!なんか落としたぞ。」



「えっ?」


陸の言葉に、入ろうとしたのをやめて振り返る。



「えっ?何落とし……。」


振り向いて確認しようと思ったけど、出来なかった。


唇に温かくて柔らかいものを感じたから。


「……………。」



今…思考回路停止中。


あたし何されてんだっけ?見開く目には、陸のドアップ。


そう思っても、いきなりのことに頭が判断出来ない。



しばらくすると、陸があたしから離れた。



「…これ今日のご褒美な?」


ニッコリと悩殺スマイルで笑う。
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