地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪



目の前の服を握った。








「――――……っ…言いすぎ。」


ぽつりと陸が言う。



「あっ……ごめんなさい……」


パッと手を離し、俯いた。



引かれちゃったかな………


また違う意味での涙が溢れる。









「…ちげーよ。
そう言う意味じゃねぇから…。」




「………へ?」



上からの声に顔を上げた。




「ん…………っ…………」



甘くて優しいキスが降る。


頭と腰を持つ手に、力が入ってる……







何度も角度を変えながら、繰り返した。





「杏……口………」



素直に陸に従う。



少し開けたところに

陸の舌が滑り込んで、あたしを絡め取る。
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