先生とあそぼ
疑い
母さんたちが海外に行って早1ヶ月――。
2人からはたまに連絡が来るくらい。
その頃にはもう今の生活にすっかり慣れ、主夫(?)と学生を両立していた。

それでダチとの付き合いは減っちゃったけど、今のおれの状況をちゃんと理解してくれているからたまに遊びに来てくれたりした。

保育園では、先生たちもおれの顔を覚えてくれ、すごくよくしてもらってる。
でもちょっと気になることが。

おれが保育園に行くと妙に注目されてるような……。
おれ、もしかして高校生ってことでかなり浮いてる!?

揚げ句の果てには

『流架くーん、今度内緒で飲みに行かない?』

『お姉さんたちがごちそうしてあげる』

なんていうお誘いも…。
てゆーか、おれ未成年ですけど!

大体からして仮にも保護者とそんなことしていーのか、保育士!!

と、そんな誘いを受けたり……
一体この人たちはなにをしたいのか?

担任の凛先生とも歳の近い男同士、といっても彼は25歳らしいけど……(近いって言わないか?)。

ということで仲良くなったおれは、凛先生と関われば関わるほど、彼に対する憧れの思いは強くなっていった。

そんなある日の昼休み、おれと光輝と大介の3人で食事をしているときのこと…。

「そういえば流架、最近家はどうだ?」

突然光輝がそんなことを言い出した。

「へ?なにをまた突然。
別に、両親からの連絡はたまに来るくらいだけどもう1ヶ月経つからなぁ~、さすがに慣れてきたよ」

半分あの両親に対する期待のようなものを失いつつあるおれは、サラッと笑って言った。

「そうか。あんま無理すんなよ。
で、その、担任の先生とは……?」

担任?
担任って……

「凛先生のことか?」

「あ、ああ……」

なんだ?光輝のヤツ。
やけに凛先生のこと気にしてるよな…

「別に、普通に担任と保護者って感じだよ」

「ふぅん、そうか…」

あれ?
なんかこいつ嬉しそう…?

大介はそんな光輝を見て笑ってるし……、一体なんだっつーんだ?
< 15 / 179 >

この作品をシェア

pagetop