先生とあそぼ
「たっだいまーっ!!」

「か、母さん!?」


そう。

玄関にいたのは――
インターホンを押したのは紛れもなくおれの生みの親と育ての親で、ついさっき噂をしていた張本人、おれの両親だった。


「ただいま、流架くん」

「父さんまで……」


2人とも大きなトランクに大きな荷物を抱え、何事もなかったかのように玄関先に佇んでいた。


「な、なんで……!?」

「なんでって、自分のおうちに帰ってきちゃいけないのー?」


母さんは相変わらずのメルヘンっぷりで、頬をぷくーっと膨らませていじけ始めた。


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