イジワル少年はあたしの彼氏
中学校の卒業式で見て以来だ。
川村先輩は前よりもずっと背が高くて、大人っぽくなっていた。
胸がどきどきする。
落ち着け、みい。
焦っちゃダメ。
「あっ、あの!川村先輩!」
川村先輩はしばらく立ち止まり、私が誰なのかを考えているように見えた。
「あのっ、覚えてませんか?電車の乗り場で、先輩がカードを貸してくれました!」
「……………あっ!覚えてる!!懐かしいなあ。同じ高校に入学したんだ。」
「はっ、はい!それで……あの、手紙を書いたんですけど、受け取ってもらえますか?」
川村先輩はしばらく口を閉ざした。
「………ごめん。俺、彼女いるんだ。」