イジワル少年はあたしの彼氏
―――……何だか甘い香りがする。
「ちょっと、大丈夫か?水原!」
「よっ川村!
コイツ、ちょっと倒れそうになったみたいで。」
あたしは、やっと離してもらえた。
「だっ大丈夫です!少しくらっとなっちゃっただけですから。」
「本当に大丈夫?」
乱れた髪を手ぐしで直していると、ふんわりと香水の香りがした。
目の前にいたのは、川村先輩の彼女。
一瞬、思わずみとれてしまった。
肌は透き通るように白く、くりくりした目はとてもキラキラしていて、吸い込まれそうだった。
そして彼女が笑うと、その場の雰囲気がふわっと明るくなる。
何て素敵な人なんだろう………。
「サッカー部の部室あるけど、よかったら休む?」