先生の秘密
宿題を終わらせ、学校を出る。
駅のホームで電車を待っていると、うちの女子生徒が二人、同じホームにやってきた。
リボンの色から1年生であるとすぐにわかる。
「さっきおっくんに教えてもらってきたんだ」
「えーいいなぁ」
よりによって、淳一の話をしている。
どうやらさっき淳一のところに並んでいたうちの一人であるようだ。
会話は聞き耳を立てずとも聞こえてくる。
「爽やかだよね、おっくん」
「うん。好青年って感じ。タバコとか吸ってたらショックかも」
残念だったね、二人とも。
私は心の中でそう呟く。
今はどうか知らないが、淳一は喫煙者だった。
銘柄は、キャメルメンソール。
ラクダの絵が描かれている箱で、煙は甘い香りがする。
「パチンコ屋とかに通っててもヤダよね」
淳一はスロットをやる。
することがない日なんかは、朝から店に並んで一日中パチ屋にいることもある。
全然爽やかなんかじゃない。
「AVとか観ててもイヤじゃない?」
彼女らはいったい淳一をなんだと思っているのか。
彼だって、男性なりにスケベだ。
ぶっちゃけてしまうとなかなかのおっぱい星人だ。
巨乳も微乳も好きなのだそうだが、女の私にはよくわからない。