今でもあなたを愛してる。
「そろそろ帰るか」
隼人がそう言った頃にはもう、辺りはすっかり暗くなっていた。
星なんかが見える程は綺麗じゃないけど…


『うん。』
そう言った彩奈の表情は暗くて隼人にはわからなかったと思うが、ちょっと寂しげだった。
誰かと別れるのがこんなに寂しく思うのも、いつ以来だっただろうか?


彩奈の気持ちに気付いたのか、それとも隼人も同じ気持ちだったのかは今でもわからない。
だけど、突然携帯を出した隼人。
「メアド教えてくんね?」


『うん。』
普段なら絶対しないが、隼人の前では最初っからペース崩されまくりだ。
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