一夜の物語
「綺麗だよ。」


「ふーん。面白い。」


何が?
何も面白いこといってないんですけど。

「綺麗なものは好きなのか?」


これまた変なことを聞かれる。


「綺麗なものを嫌う人がいないでしょう?それとも鬼は綺麗なものにあまり興味をもてないの?」

と逆に聞いてみた。

「ああ……。鬼は別に……。嫌……やっぱあるわ。」


「どっちなの。」


「うん。鬼にも綺麗と言えるものがちゃんとある。」


まぁ、そう答えられたら答えられたでまた意外なんだけど。

夜鬼が綺麗と言えるものってなんだろう。

なんか知りたい。


「夜鬼……。」


「あ、そうだな。」

突然、夜鬼が立ち止まった。


急だったので私も止まれる訳もなく、夜鬼の体にぶつかる。
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