一夜の物語
「綺麗か?感動したか?」


夜鬼は何かを期待するように聞いてくる。

誉められたいのかしら?


「……うん。凄い、凄い綺麗だよ。感動した。」

そう言ってやると
「そうかっ。」
と夜鬼は白い歯を見せて笑った。

可愛い。


「夜鬼は……いつもこんな景色を見れているの?」

私は再び景色に目を落とす。


「そうだな。暇なときはよく来る。」

ふーん……。
なんかちょっと羨ましいな。
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