一夜の物語
「夜鬼は……いつも一人なんだよね?」

「ん?まぁ。」


「仲間はいないの?」


「仲間?」


なんで初めて聞いた言葉です的な反応するの……?

「同じ鬼とか。」

「あぁ、いないね。ここの鬼は俺だけ。」

「寂しくないの?」

「なんで?」


なんでって……。

「私だったら寂しいもん。ずっと一人でここにいるなんて……。気がおかしくなりそう。」


夜鬼は私の言葉を聞いて、考えるように顎に手を当てる。

ちょっとの沈黙。

暫くして、夜鬼は私に近寄ろうと腰を動かす。


「なんでよってくんのよ。」


「黙って。」


夜鬼は私を静すると、グィッと顔を近づけてきた。

そして観察するように見てくる。
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