一夜の物語
恥ずかしくて顔をそらすとクスッと笑い声が聞こえた。

「可愛い。」

その低い声がいつのまにか愛しくて、私は自然と夜鬼に体をすりよせていた。


「?」


夜鬼は不思議そうにこっちを見てる。

「具合悪いか?」

「ううん。大丈夫。」

「お前、俺が何か忘れてないか?」

夜鬼は最初あったときにつけてた鬼のお面をみせつける。

「知ってる。怖い、怖い非情な鬼さん。けど、ここまで怖くないけどね。」

私は夜鬼のもつ、醜い鬼のお面を払いのけた。

「夜鬼は夜鬼だ。鬼だけど、優しい人。」

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