一夜の物語
さっきまで鼠がいた場所だけ地面の色……なんか違うくない?

なんか凄く不自然。
縁側の下に潜り込み、その不自然に黒い地面を見る。

何か取っ手みたいのがあるよ?


そっと手を触れてみた。

ガタッ

あ……

とれた。


なんともいとも簡単に……。

蓋がとれ、穴が現れる。


「……なに?これ。どこに繋がっているの?」


そこには中に入れるよう、梯子がたてかけてある。


だが、穴の奥はなんにも見えない。

ただ、深い深い闇がそこに広がっているだけだった。

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