一夜の物語
完全にすくんでしまった私の足をなんとか上げ、寂れた梯子にかけた。


降りる度にガチャと、今にも壊れてしまいそうな金属の音がなる。


私は細心の注意を払って降りていった。

寒い……。


下に降りるほど気温が下がっているんじゃない?


吐く息さえも下にいくほど白くなっている。


今は夏のはずでしょう?


ここだけ別次元?

とか考えてしまった。

おりてもおりても続く闇。


穴の入口からほんの僅かな月の光も今はもうみえない。

孤独……。


そう感じてしまった。

だって、そう感じざるえないでしょう?
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