一夜の物語
だんだんと手も震えてきた。

原因は寒さだけではない。

一番は恐怖だ。


もう、そろそろ手が限界なんですけど。

そう思えてきたところで

コトンッ

という音。


足が地面についたのだ。

足が着いたと同時に酷い悪臭が鼻をおそった。


「っっんぐぅっ。」

そのあまりの悪臭に私はおもわず鼻をつまんでしまった。

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