一夜の物語
「……っ。」


奥に進むほど匂いがキツくなる。

私はとうとうハンカチを出そうとポケットに手をいれた。

「……?」


ふいにその手をとめる。

つたってきた壁がいつのまにか消えていたことに気が付いたから。


どこか、広いところに出た……のかな?
確信はもてないけど。


灯りが有れば……。
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