一夜の物語
「……夜鬼?」


夜鬼が黙ってしまった。

どうしたんだろ?

表情を確かめようと夜鬼の顔に触れてみる。

……?

唇が若干上がってる。
もしかして笑ってるの?


すると夜鬼はいきなり自分に触れている私の腕をつかんだ。
「痛っ。」

「可愛い葉月……?」


夜鬼の方へとひっぱられ耳元で囁かれる。

「ッ。」

甘い、甘いその声に私は体を強張らせた。

そんな状態の私に、夜鬼はさらに囁く。
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