一夜の物語
グィッ


物凄い強さで腕を引っ張られた。

そして、そのまま私がさっき逃げてきた方向へと進んでいく。

私が壁伝いでないといけなかったところも迷いもせず、突き進んでいく。

早歩きで進んでいく彼。


私はうまくついていけず、何度も何度もつまずいた。


その様子に見かねた夜鬼は今度は私を抱き上げる。


「にゃあっ。」


「だから、お前は猫かっての。」

うぅ。
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