一夜の物語
「夜鬼は今もここに来るの?」

「あぁ……。」

少し驚いた。

ここ。
こんなにも暗くて寒くて臭いのに……。

「なんで?」

聞いたら駄目。
そんな気がした。


「それは……俺が


“鬼”だから……だよ?。」


それとどう関係が……?

聞こうとしたその時、あたりが真っ白になった。

眩しいっ。

「痛っ。」

目が痛くなって、思わずその目をおおった。

暫くして目の痛みもなくなってから、私は顔を上げた。

さっきまで暗かった辺りが明るくなっていた。

夜鬼が目の前に見える。

夜鬼は急に明るくなったというのに、平然とその場に立っていて私をじっと見ていた。
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