一夜の物語
よく回りを見てみると屍は上でぶら下がっているものだけではなさそうだ。


まるでこの広い部屋はそれ専用のものであるかのように、あちこちにゴロゴロと白骨化された屍が散らばっていた。


「最近は人間が来ないから……。肉つきの屍はあの上のやつしかない。」


どうして……?


どうして……笑っていられるの?


上に下げられている屍をみる夜鬼は口元に笑みを浮かべていた。


「夜鬼……。なんで?」
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