一夜の物語
「喰わないって……言ったじゃない。ずっと……一緒にいようって……。」


夜鬼は冷たい、冷たい笑みを浮かべた。
「生への希望を捨てたやつの内蔵は喰えない。固くて……冷たくて……。まだ、熟してない、太陽に当たりきってない果実のようだ。」


夜鬼は私を地面に横たえた。

彼の腕から解放されたすきに私は逃げようとした。

けどその前に夜鬼は私の上にまたがる。
動きを封じられてしまった。
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