一夜の物語

鬼の名

私は鬼に体を大木に押し付けられていた。


恐怖からか?


私は何も言えず、ただただ固まっていた。


「なぁ?」


鬼はその怖い顔を近づけてくる。


無理、怖いわ。

強気でいようと私は鬼を睨んだ。


「ち……。」

なんとか声をだす。

「ん?」


「近よるなっ。怖いわっ。」


「へ?」


鬼は驚いている。


「鬼なんでしょう?殺すのはいいけどその顔を近づけないでっ!」


と、鬼の体を押した。


あ、思ったより力入っちゃった。


鬼はお尻から倒れた。
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