一夜の物語
「いってぇ……。」

「あ、ごめん。」


本気で痛がる鬼にちょっとだけ心配した。


鬼は私を見上げてくる。


怒ってるかな?


グィッ。


あ、また元の体勢。

鬼は勢いよく立ち上がると同時にまた私を大木に押しつけた。


「よく見ろよ。」


鬼が自分の顔にふれる。


そしておもいっきり自分の顔をつかんで……ひっひっぱったぁっ?


「もっもげるよっ!」
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