カシスオレンジと波の音




「でも、未成年なんだよね~!俺達飲むんだけど、それでもいいかな?」


「は、はい!!もちろん」



千佳が答える。





「て言うか、うちらも飲む?」


明日香がニヤっと笑って私を見た。



「あ~!それはダメダメ!佐倉さんの言うことは絶対だから」


俊吾は、後片付けをしている佐倉さんの方をチラっと見て言った。


「あのオヤジうざいね~」



明日香がそう言うと、俊吾は驚いたような顔をした。



「それは違う!!佐倉さんは、めちゃめちゃ良い人なんだよ。俺達にもすっげー優しいし、理解あるし、憧れちゃうくらいかっこいいんだって!」




千佳と明日香は、えーーー!と不満の声を上げた。



私は小さく頷いた。


「うん。あの人、不器用なだけ」




私がそんなことを言ったもんだから、俊吾は嬉しそうに私の手を握った。




「そうそう!!よくわかるね~!佐倉さんは、照れ屋だから怖く見られるだけなんだよ」





< 27 / 69 >

この作品をシェア

pagetop