カシスオレンジと波の音
「でも、未成年なんだよね~!俺達飲むんだけど、それでもいいかな?」
「は、はい!!もちろん」
千佳が答える。
「て言うか、うちらも飲む?」
明日香がニヤっと笑って私を見た。
「あ~!それはダメダメ!佐倉さんの言うことは絶対だから」
俊吾は、後片付けをしている佐倉さんの方をチラっと見て言った。
「あのオヤジうざいね~」
明日香がそう言うと、俊吾は驚いたような顔をした。
「それは違う!!佐倉さんは、めちゃめちゃ良い人なんだよ。俺達にもすっげー優しいし、理解あるし、憧れちゃうくらいかっこいいんだって!」
千佳と明日香は、えーーー!と不満の声を上げた。
私は小さく頷いた。
「うん。あの人、不器用なだけ」
私がそんなことを言ったもんだから、俊吾は嬉しそうに私の手を握った。
「そうそう!!よくわかるね~!佐倉さんは、照れ屋だから怖く見られるだけなんだよ」