カシスオレンジと波の音
佐倉さんは、割り箸の先を私の唇へ近づけた。
「これくらいなら味見してみる?」
私は、割り箸を口に入れた。
入れてから気付いた。
間接キス……
「にがっ!!」
苦いような甘いようなすっぱいような不思議な味。
「ほらな。大人になんかならない方がいいんだって。あ、ちょうどいいから、運ぶの手伝え!!」
私は2つのグラスを持ち、みんなの元へと戻った。
なぜか席替えしていて、明日香と俊吾が隣り合って座っていた。
何となく、いい感じに見える。
千佳は大介とたかちゃんの間で、爆笑しながら話していた。