カシスオレンジと波の音



「到着しましたよ」



ガイドさんに起こされて、私達3人はバスから降りた。




「うわぁ!!すっごい綺麗!」


「海のそばだね」


「最高!!」




広い庭には、バーベキュー用の網が用意されていた。





食堂に案内され、このペンションのオーナーらしき人が説明を始めた。



愛想の悪いおじさん。


染めているわけではなく日に焼けて痛んだような茶色の髪。


怖そうってのが、第一印象。





低い声で無愛想に説明をするもんだから、せっかくのテンションがダダ下がり……




「うざいね、あのオヤジ」



千佳の声が聞こえた隣のテーブルのグループも、うんうんと頷いていた。





< 9 / 69 >

この作品をシェア

pagetop