カシスオレンジと波の音
「到着しましたよ」
ガイドさんに起こされて、私達3人はバスから降りた。
「うわぁ!!すっごい綺麗!」
「海のそばだね」
「最高!!」
広い庭には、バーベキュー用の網が用意されていた。
食堂に案内され、このペンションのオーナーらしき人が説明を始めた。
愛想の悪いおじさん。
染めているわけではなく日に焼けて痛んだような茶色の髪。
怖そうってのが、第一印象。
低い声で無愛想に説明をするもんだから、せっかくのテンションがダダ下がり……
「うざいね、あのオヤジ」
千佳の声が聞こえた隣のテーブルのグループも、うんうんと頷いていた。