白衣の悪魔に首ったけ
今すぐ先生のとこ行きたかったけど…



今は体育の時間。



授業中…なんだよ…ね。



先生になら休憩時間…は…



うん。着替えなきゃいけないから無理…だけど、



放課後、



バイトの時間まで1時間ぐらいあるし…



その間に会いに行けばいいいし…



………



今はとりあえず真面目に授業受けよっと。



「由奈…行こ…」



「えっ…」



投げていたラケットを手に取り、



未だに座り込んでる由奈の腕を掴み、



グイッと無理やり立たせたあたしは、



ため息をつきながらテニスコートへと一歩、二歩と足を進めた…



がっ、



「待って、杏奈。ちょっと…座ってて。」



「へ?」



突然、由奈は意味わかんないことを言い出して…



「いい?さっきみたいに座っててよ。」



「はい?」



「座ってなさい。」



「うっ…」



キッとあたしを睨みつけると、



「じゃぁ…行ってくるねっ♪」



スタスタと河本先生のとこに行ってしまった。



ん?



一体…



なんなんだろ…



意味わかんない…



そして何かを話し…



「あっ…」



一瞬だけあたしを見ると校舎へ向かって駆けて行ってしまった…。

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