白衣の悪魔に首ったけ
目の前には逃がさないとばかりにあたしを見つめてくる先生の瞳。



先生の顔が近くて…



先生の瞳があまりにも…



………



ううん。



近いとかそれ以上に、



先生が口にしたコトバにドキドキして…



「お前だろ?」



「っ!!」



あたしが答える前に、さも当たり前のように口にした先生のコトバに心臓が壊れるんじゃないかってぐらいドキドキして…



真っ赤になってしまったあたしは先生の瞳からパッと視線を逸らすと、



奪い返したタオルケットをギュッと握りしめた。



でも先生はイジワルで…



「返事は?」



すごくイジワルで…



答えなんて知ってるくせに…



あたしの答えなんて分かってるくせに…



どうしてもあたしの口から“Yes”が聞きたいみたいで…



「返事しねぇなら…今日は帰さねぇ。ってか、こっから出さねぇ。」



「えっ…」



それって…



「お前、今日もバイトあんだっけ?残念。今日は休むしかねぇな。」



「へ?」



ばっ…バイトっ!?



………



あぁ、バイト…ね。



あたしはニヤニヤと意味深な笑みを浮かべる先生を見つめながら苦笑いを浮かべた。

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