蝶彼

気持ちのいいなか
ゆっくりと目を開ける。

頭痛い
頭痛がひどく頭を抱えた。
ふわふわなベッドからゆっくり
体を起き上がらせて辺りを見る。

ここ隆也の家じゃない

嘘・・
もしかしてここって

誰かがこちらへ歩み寄ってくる
「起きたんだ?」
上半身裸で濡れた髪をタオルで
拭いているこの男は・・

「嘘でしょ」
「嘘じゃないよ」

クスクス笑いながら
ベッドに腰かけた彼。
「何で?どうして?」
バッと布団の中を覗き込む。
服は着てる。
それだけでものすごく安心した。

「大丈夫,俺が着せたから」

「は!?!?」
おもしろそうにケラケラと笑っている。
「冗談だよ。別に少し服めくっただけ」
「そういう問題じゃないでしょッ!・・最悪」

そう言ってたばこを取り出す。

「今何時?」
「今?5時」

「なんであなたと?どうしよう・・」
混乱していく頭。
「あなたと一緒に寝たとかバレたr・」
「ねぇ」
ふと前を向くとすぐ目の前に彼がいた。
ドキドキする。




「あなたじゃなくて雅だから」




甘いシャンプーの匂い
濡れた髪
心臓が飛び出すかと思った
「・・雅」
「そう,雅」
嬉しそうに微笑んだ雅。

そして私の耳元で
「もう彼氏帰って来てると思うよ」
そう言って私の頬に軽くキスをした。

ビクンッと動く私にクスクスと笑った雅。




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