蝶彼
一通り家事がおわり
時計を確認する。
夕方の4時。
私は軽く化粧をして
玄関へ向かった。
ドアノブを回す手を
一瞬止めた。
「・・雅,出てこないよね」
自分に問いかけて
少し沈黙
大丈夫・・だよね?
ゆっくり扉を押す。
バタン
隣の家を見たけど誰も出てくる様子はない。
よかった
あれ・・何でこんな不安になったり安心したりしてるの?
私・・。バカみたい。
鍵をかけて私は階段を下りた。
隆也のアパートから
私のアパートまで歩いて20分くらい。
やっとでついた久しぶりの自分の家。
家の中に入るが何も変っていなかった。
靴をぬいで思い冬服がはいったバックを
ドスッと床に置く。
ベッドにバタンと倒れる。
やっぱり自分の家が一番落ち着く。
何だか眠くなってきた。
まぶたが重い。
でも・・夏服出さなきゃ
少しだけならいいよね?
いや,ダメでしょ。早く戻らなきゃ
大丈夫,10分くらいなら・・
そんな心の中の自分と戦いながらも
夢の中へと引きずり込まれた。
ふと目を覚ます。
思いっきり飛び起きて時計を確認する。
30分もたってる・・。
どこが10分よ!
ハァとため息をつき
ベッドからおりた。
そして冬服と夏服を取り替える。
外を見るともう真っ暗。
今日天気曇ってたからな。
時計を確認すると7時30分。
早く帰らなきゃ。
私は大きなバックを持って
家を出た。
風が心地よかった。