蝶彼
ポケットから鍵を取り出す雅。
「じゃぁ彼氏で満足してんの?」
「・・してるよ」
「いやしてねぇだろ」
「とにかく。
これから一切喋りかけないでください」
雅の手からカバンを取り上げる。
「・・」
ギッと睨み合う二人。
無言のまま雅は家の中に入っていった。
ハァーと安堵する私。
家の中に入って
ソファに腰かけた。
「・・何か疲れた」
バタンッと横になる。
もう何なのよ,雅。
すっごい態度悪いし。
あんなにベタベタする彼女いるんだから
いいでしょ。それに私には隆也がいるんだから。
最悪
携帯を開く。
受信メールなし
「隆也早く帰ってこないかな?」
真っ暗な部屋の中テレビをつける。
ちょうどドラマをしていた。
『俺は二番目でもいい』
『そんなのダメよ』
『いけない関係でもいいから。
俺はお前と居たいんだ』
『・・あなた・・』
何このドラマ
ドロドロしすぎ。
すぐにチャンネルを変える。
あんなのにはなりたくないよ