蝶彼

「まみッッ」



まみ―マミ―
背は玲奈より少し低く
髪は明るいブラウンの肩につくか
つかないかの長さ。
短大に行っていたときの親友



「とりあえず上がって??」
家の中に入ると部屋の中を見渡すまみ。
「どうしてここが?」
「玲奈のアパートに行ったら大家さんが教えてくれたの」

大家さん・・すぐに教えるんだから。
でも短大の時期よくアパートに遊びに来ていた
まみを知っているから教えたのだろう。
私は麦茶をもってまみの向かいに座った。

「彼氏のアパート?」
「うん」
「彼氏見てみたいッ」
「いいよ別に・・それより何かあったの?」
「ううん?久しぶりに会いたくなったから」

そう言って麦茶を一口飲んだまみ。
まみが元気そうで何より。
「どう?短大のトキの彼氏とは」
「別れたよー,浮気されたぁ」
「嘘~・・」

まみが大きなため息をついた。
「だから今度合コンしようかなぁって」
「まだこりてないんだ,合コン」
「一緒に行かない?」
「遠慮しとく」

そう言って私も麦茶を一口飲む。
「暑いよねー,もう夏だよ」
「だからねー,よくさ海一緒に行ったよね?」
「そうそう!!サークル楽しかったなぁ」
「まみ最近メールしてこないから心配してたんだよ」
「私もだし」

変ってないね,私たち。
何だか初心に戻れた気がした。

「あ,もうすぐ彼氏来ちゃう?」
「ううん?いつも夜中帰ってくる」
「何で?」
「友達といつも飲んでるの」
「へー・・」


それから懐かしい思い出に
花を咲かせていた。

「あ,やばい私もう行かなきゃ」
「そう・・送ってく?」
「大丈夫」

玄関で高いヒールをはいて
まみは外に出た。
私も一緒に外に出る。

「私のアパートにも遊びに来て?」
「分かったー,行く」
じゃぁとまみが手をあげた時だった。
隣の扉がガチャッと開く。
ゆっくり出てきたのは

『あ』


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