蝶彼
相当酔っているらしく
彼女が誰なのか聞いても答えられないでいる。
「隆也起きて??」
玄関で眠るとかありえないよ・・
せめてベッドで寝て欲しい。
頑張って起き上がらせようとしたけど
私の力で隆也を起こすことなんて無理。
「隆也!!」
大きな声を出すとゆっくり片目を開けた隆也。
「起きてよ!!」
「ん~・・」
のそっと起きてゆっきり
リビングに入りベッドにバタンッと倒れた隆也
「・・誰なのよ」
それから眠れなかった。
テレビはもう放送が終わったのか
通販番組しかやっていなくてただ
じっとその番組を見ていた。
誰?あの綺麗な人。
友達って女だったの?
男友達と飲んでくると思ってたのに・・
頭の中が混乱する。
ねぇ隆也答えてよ
返事してよ
やっとつまらない通販番組が終わったと
思ったら可愛らしいアナウンサーが
「おはようございます」と言っていた。
カーテンを開けるともう外は明るかった。
「・・朝」
私は顔を洗いに洗面所に行った。
隆也が起きたら聞けばいい。
その事は今は忘れよう。
リビングに戻り
朝ご飯を作り始めた。
料理が出来上がり
テーブルに並べて寝室を見たけど
まだ眠ってる隆也。
先に食べちゃおう
ふにゃふにゃのフレンチトーストを
フォークで突き刺す。
切り分けたフレンチトーストを口に押し入れる。
・・甘い
疲れてるときこそ甘いのを吸収するんだよねッ。
私は冷蔵庫からアップルジュースをだして
可愛いピンクのコップに注ぎぐいっと
飲み干した。冷たい吐息が流れた。
口を手で拭う。
「・・甘い」