蝶彼


それからすぐ隆也は
また眠りについた。
今日はバイトを休むらしい。
私が夕食を作り上げたとき,隆也は起きてきた。
「寝すぎじゃない?」
「ごめん」
そう言って頭を押さえてる隆也。

ご飯はちゃんと食べてくれた。
明日からまたバイトなんだろうな。
全て食べ終わってお風呂に入ろうと
準備をしている隆也の背中に声をかけた。

「夜遊びもうやめてよ?」
「大人の付き合いなのー」
「じゃぁお酒飲みすぎるのはやめて」
「だって飲んじゃうんだもん」
そう言ってこっちをちらっと見た隆也。
風呂入ってくると行ってしまった。

誰もいなくなった部屋で私はシンとしていた。
何でか自然と不安な気持ちがなくなっていた。
もうどうにでもなれとでも思っているの?私。

昔の彼氏にも浮気はされていた。
気付かなかった私が悪い。
2番目でもいいと思ったけどそれは苦しかった。
いや,何考えてんの?私。
隆也は浮気なんてしてないよ
大丈夫,うん大丈夫。

私は鏡で自分を確認した。

不安そうな顔
これが自分の本当の気持ち?

自分には正直になれない


信じなきゃダメでしょ,私。
パチンと頬を叩く。

「・・・痛い」






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