蝶彼


ふと目を開ける。
時計を確認するともうお昼だった。
夢の中には嬉しそうに出てきたあの女
内容は覚えていないが
はっきりとあの女の笑顔が浮かんだ。
「隆也の飲み友達?」
私はそう呟いてリビングへ入った。

もうソファにも隆也はいなくて
きっとバイトに行ったんだろうと思った。
バイトもいいと思うけど
隆也はちゃんとした会社で仕事はしないのかな?
私も人のことは言えないけど・・
飲みに行く金がほしくてバイトをしているみたい。
ため息がこぼれた。

「どんなバイトしよう?」
水商売とかはしたくない。
だからと言ってコンビニとか
そういう地味なのも嫌。
どんなバイトが似合うんだろう?
パソコンでだらだらと調べていると
一つ目が止まるものがあった。

「パスタ屋さんかぁ」
この店ならここから近いし
すぐに働けるかも。バイト料も中々いいし。
仮でバイトが決まった。
さっそく私はパスタ屋に電話をして
明日面接を受けることになった。

安心して私は
ごろんとソファに横になった。





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