蝶彼


少し夢心地に眠りにつく頃
バタバタと大きい音が隣からした。
私はびくっと起き上がり隣を見る。
何だろう??倒れたのかな??
『やっべぇ!!』
そんな声が小さく響き渡った。
「・・雅?」

バタバタと足音が響く。
そしてすぐにドアの開く音と閉まる音が聞こえた。
すぐに静かになった部屋。
何だったんだろ?すごく焦ってたけど。

時計を確認するとソファに横になってから
もう1時間もたっていた。
私はすぐ起き上がり夕食を作り始めた。
すぐにバイブがなって濡れていた手を
タオルで拭って携帯を開く。
隆也からだ。

「今日は早いんだッ」
何だか心底嬉しくなった。
何うかれちゃってんの?私・・。
頑張って料理つくろうッ。
隆也の大好きな物ばかり用意して
テーブルに置いた。
「隆也喜んでくれるかな?」
久しぶりに隆也が早く帰ってくる。
じゃぁ今日は飲みには行かないのかな??

その時ガチャッとドアが開く音がした。
私は玄関へと向かう。
「ただいまぁ」
「おかえりッ」
「何?なんかすごく嬉しそうだけど」
嬉しいに決まってるじゃん!!
自分の彼氏が今日は早く帰ってきたんだからッ
と心で叫んでなにがぁ?と隆也には
そ知らぬ顔をした。

リビングに入り
テーブルを見るやいなや隆也は
「おぉ!!俺の好きな物ばっか」
と喜んだ。私も微笑む。











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