蝶彼
「うん,うまいッ」
そう言ってぱくぱくと食べ進んでいく隆也。
嬉しい半分心の隅のほうで
あの女の顔がちらほらと出ていた。
「あのさ隆也」
「ん?」
「この前送ってくれた女の人,
バイト一緒の人なの?」
「うん?」
「飲み仲間の女の子ってその人以外にもいるんでしょ?」
「うん・・?」
「ならいいんだよね」
そう言って私は空いた皿をもちキッチンへ行った。
「何かした?」
「ううん?」
少し何か言いたそうだったが
また隆也は食べ始めた。
何だか嫌な予感がするけど気のせいなんだよね?
私は隆也の彼女なんだからッ
そんな気にしなくていいよねッ・・
私は言い聞かせるようにそう言って
席に戻った。
「あッ!バイト決まったよ!!」
「まじで?何すんの?」
「パスタ屋さんって言っても明日面接だけど」
「頑張れー」
「うんッ」
食器を2人で洗って少しのんびりして
それから隆也と一緒にベッドに入り
ただ瞳を閉じていた。
隆也
あなたをずっと信じるよ