蝶彼


「・・」
「何知り合い??」
私と彼の間からひょこっと顔を出してきたオーナー
「いや・・」
「何だぁじゃぁ話は早いね」

よろしくーと言ってオーナーは店の奥に入っていった。
嘘でしょ
いやこれ嘘に決まってる
絶対そうだよッ,うん
いやそれともこの人そっくりさんかなぁ??

「おい」
「え?」
顔を上げると面倒そうにこちらを見ている
「・・どこかで会ったことありましたっけ?」
「隣の部屋なんだからあってるだろ」
そう言って自分の髪をくしゃっとした彼
「嘘・・そっくりさんじゃない・・」
「ばかじゃねぇの?俺のそっくりなんてありえねぇだろ」


「・・雅」

そう
絶対にありえない人とバイトが一緒になってしまった
何で!?後付けてきたのかな??
「言っとくけど結構前からここで働いてるから」
「嘘~・・」
「おい新入り」
「新入りって言わないでよっ」
「ここでは俺お前の先輩だから」
「はぁ!?」
雅の細長い足が動き出した。
「客の接客ぐらい出来るだろ」
「もちろん」
「じゃぁやってみて?」
「え?いきなり?」
「出来るんだろ?」
「・・」

腕時計を見ると
丁度お昼の時間だった。
自動ドアが開く
若い女子高生2人が入ってきた。
「いらっしゃいませ何名様ですか?」
そう笑顔で言うといかにも
うざいと言ったような顔をした。

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