secret WISH
「‥っ」
何かに取り憑かれたように、
アメスは容赦無く拳をぶつけてくる。
避けた隙を狙って、蹴飛ばされそうに。
ちっ、避けてばかりじゃ体力使うだけだ‥!
俺は隙をついてアメスを扱かせると
地面に押さえ付けた。
銀色の髪の隙間から、見覚えのあるイヤリングが‥。
「‥えっ!?」
アメスはぐるりと体を回転させ
俺に回し蹴りをくらわせると
そのイヤリングに手を掛けた。
「なんで‥ッ」
「‥アメス? そんなもの持っていたの?」
アメスの手の中で変化していくイヤリングは
俺の武器と、
全く、同じ。
「おい、アメスッ!!」
「何故同じ武器を‥? まぁいいわ、早く消してしまいなさい」
「ぐっ、アメス‥ッ」
必死に避ける中で、俺は初めてアメスに武器を向けた。
何で俺と全く同じ武器を持っているんだ!?
この武器も、ドルガーか!?
でも、イヤリングが変化してこうなった‥
この武器は本物‥っ?
ビッとアメスの武器が、俺の腕を掠った。
ギンギンッと激しく互いの武器がぶつかり合う音は
耳を塞ぎたくなる程に、痛い。
何処が痛いって、耳はもちろんだけど
少し切れてしまった腕も
疑問ばかりが増える頭も
「アメスッ!!」
お前の名前を叫ぶ声を出す、喉も。
何より、胸がずっと締め付けられている。
「っ、うぁッ!」
避けきれなかった武器が、俺の右足を刺した。
ぐらりと傾く体は、治安署の壁に預けられる。
ヤベェ、動けねぇ‥!
「ほら、今のうちに殺りなさいな」
「‥‥」
「アメ、ス‥‥」