secret WISH
透き通った青い空の下、俺は大きく背伸びをした。
街から馬車に乗って、どれだけ時間が経ったのかな。
俺の後に馬車から降りる父さんは母さんの手をとる。
『なぁ、ここどこだ?』
『ここはね、お父さんとお母さんのお友達のお家なの』
『え、お家?』
『立派な家だろ?』
俺は振り向いてその建物を見るが、
一般的にいう“家”は無かった。
‥家、じゃねぇよ、コレ。
よくおとぎ話とかに出てくる城じゃん!!
『‥まよいそうな家だな』
『あぁ、懐かしいなぁ~。昔、この城で迷ったぞ』
『それで案内したのが私だったのよ』
『そうそう、それが俺たちの出会いだったな』
思い出話に浸り出した父さんと母さん。
わぁ~、なんかピンクいのが見える~。
俺は足元の荷物を抱えると、お城の大きな扉が開いた。
あ、あれが家でいう玄関?
『久しぶりね!』
『ルベ!元気だった?』
今までピンクいのを出していた父さんと母さんだが、
母さんは友達を見つけると、抱きついた。
キャーキャーとテンションが上がる2人。
それを見た父さんは優しい顔をして微笑んだ。
『あら、この子がチャロちゃん?』
若く見えるけど、ルベおばちゃん、でいいのかな?
その人の足に掴まって俺たちを見る女の子。
母さんはその子と同じ目線になる。
『そう、この子がチャロよ』
『へぇ~、可愛いね、こんにちは』
『こ、こんにちは‥』
『ふふ、いい子だね。チャロちゃん』
よしよしと頭を撫でる母さんに
その子は恥ずかしそうにルベおばちゃんの後ろに下がった。