secret WISH



エル・ディアブロは人なんだけどね、不思議な力が使えるの。
このおじちゃんの場合は、人の気持ちを利用してモノを作れる。
それは人を装ったものだったり、動物を装ったものだったり。
そかにも仲間がいてね、それぞれに使える力は様々なの。
それをいい事に使う人がいるなら、悪い事に使う人もいるわ。
その悪い人にね、私たちは追われているの。
それで、そろそろ決着を付けたくて、
その間チャロの面倒を見ていて欲しいの。
もしかしたら戻ってこれなくなる可能性もあるから‥

その時は、チャロを宜しくね?

そう言って、最後に笑ったルベおばちゃんの顔は
口は笑っているのに、酷く悲しそうな目をしていた。



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――――――――



『どうだった?』

『いや、部屋に閉じ籠ってしまって』

『‥そう』

いつの間にか日も沈んで、外は真っ暗。
本当は今日も満月が光る筈なのに、
空には厚い雲があって光は届かない。
そのうち雨が降り出して、ガラスを叩き始めた。
そして聞こえてくるのはゴロゴロと鳴く雷鳴。

『セレス?』

『チャロのとこ行ってくる』

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