secret WISH
『その‥、ずっとはなれるなんてこと、ないと思うぜ?』
『‥なんで?そういってたもん。“いっしょう”って』
『うん、でも家族なんだから。ずっとはなればなれなんてないよ。ほんの少しの間だけだと思う。‥くわしいこと、きいてないからよく分かんねぇけど』
もごもごと最後の方は口籠りながら言った。
詳しい事訊こうとしたけど、父さんと母さんに止められたし。
だからちゃんと事の内容分かんねぇけど、
きっとこれだけは言える。
『だから、ベニトおじちゃんとルベおばちゃんのこと、しんじてやれよ?』
チャロは俺を見て、俯いた。
やっぱり‥余計な事を言ってしまっただけだったかな。
そう思って俺も何となく俯くと、チャロは椅子から降りた。
そして、ベッドの上に上ると俺を呼ぶ。
『さっき、よんでくれるっていった。よんで?』
俺に本を向けるその目には、涙が溜まっていたけど
チャロは笑っていた。
『なくことなんかない、ほんのちょっとだけだもんね』
パラパラとしおりを挟んでいたページを開くと
一度目を凝らして読もうとしたが、やっぱり分からないみたいだ。
『はやくよんで』と手招きをするチャロの隣に座った。
そして続きから本を読み出す。