secret WISH
過去ラビリンス
沢山の悲鳴が聞こえる。
周りの人が忙しく城を離れていく。
早く、早く逃げろ!
そんな声の中で俺は、立ち止って城を見上げた。
俺の服の裾をぎゅっと握るチャロ。
長いグレーの髪に、ボロボロの服。
目は、何だか滲んでいる様に見えた。
その瞬間。
響く爆発音。
此処ら一帯の空気が激しく揺れた。
『‥な、に?』
チャロの小さく震えた声。
俺は爆発した城へ行こうとしたが
チャロが俺にしがみ付いて、行かせてはくれなかった。
宙に舞う火花。
キィンッと隣に落ちてきた金属。
チャロはそれを拾った。
それは‥‥―――――
父さんの、武器‥‥
『うそだろ‥』