secret WISH
「‥‥冗談。私はともかく、貴方の身が危険になるから‥私は嫌」
それに言ったでしょう?
捕まって安心しているって。
「だから、安心させたままでいてよ」
牢屋に入って初めて俺を見たチャロは、なんて綺麗に笑うんだろう。
あぁ、お前には場所なんて関係ないんだな。
お前が置かれたのがどんな状況でも、どんな場所でも
お前は、綺麗だ。
「ところで、ファントムちゃんは此処にいないの?」
「え‥、なんで?」
「気配がしないの。‥何より、結界が張られていないと思うんだけど」
「結界が張られてない?」
「うん、今まで私はセレスの部屋に行く時モーメントムーブで行っていたでしょう?」
「ああ、だろうな。正面から堂々と来れねぇみたいだったし」
「その時、圧力が掛るというか、圧搾される様な感覚があったんだけど‥」
「へぇー。‥それが、今日は無かったってことか?」
「うん、すんなりいけたの」
俺が初めてモーメントムーブで治安署に行った時は何も感じることはなかった。
その時は既に襲撃を受けていたから、結界が切れていたのかもしれねぇけど‥。
チャロがそう言っているんだ。
なら、ファントムは今、治安署にいない‥?